コラム

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双極性障害の症状と対処法を解説!

双極性障害とは、簡単に言えばうつ状態と躁状態を繰り返す障害です。
では、うつ状態、躁状態とは一体なんでしょうか。

うつ状態とは、1日中うつっぽく感じたり、沈んだ気持ちになったりする状態のことです。

他にも以下の症状がみられます。

・一日ゆううつで沈んだ気持ちになる
・普段なら楽しくやれていたことも楽しめなくなる
・睡眠時間が長くなる/短くなる
・食欲が増える/減る
・だるさや思考力・集中力の低下



躁状態とは、気分が高ぶったりエネルギッシュで活動的な状態のことです。

他にも以下の症状がみられます。

・普段よりも口数が増える
・イライラしやすい
・自信過剰になる
・お金を使いすぎる
・様々な考えが次々と浮かんでくる
・少ししか眠らなくても平気になる



躁状態とうつ状態による気分の波が、長い期間続くことが双極性障害の特徴です。

双極性障害の原因


双極性障害の正確な原因はまだ明らかになっていません。

いくつかの要因が絡み合って発症すると考えられています。

双極性障害の発症については、遺伝子と環境の両方が関係していることが多いです。

中でも、神経伝達物質のバランスが崩れていることが要因の一つとされています。

神経伝達物質とは、脳の働きを調整しているホルモンのようなものです。


双極性障害の人の脳の中では、この脳の働きを調整しているホルモンが異常に増えたり減ったりしています。

このホルモンの変化によって気分の波が生じます。

また、発症や再発の時は、ストレスがきっかけになっていることも少なくありません。

例えば、結婚や就職などの人間関係における出来事がストレスになることがあります。
しかし、ストレスによって気分が少し落ち込むようなことは誰にでもあります。


このような気分の落ち込みが短期間で自然に回復することは、双極性障害のうつ状態とは別物です。

双極性障害だからといって日々の気分の波がすべて病気だと考える必要はありません。


治療の流れ

双極性障害の治療は、薬物療法を中心に取り入れられます。

あわせて「心理教育」「認知行動療法」「社会リズム療法」などの心理療法を取り入れることがあります。



まずは、医学的な治療を十分に受けることが大前提にです。

自分に合った治療をうけるために、医師に自身の状態についてしっかり伝えていくことが大事です。

自分の状態を把握する方法が「心理教育」です。

心理教育

「心理教育」は双極性障害を自覚していなかったり、受け入れられなかったりする人には特に取り組む必要があります。

双極性障害はそもそも自分で自覚しにくい障害です。


なぜなら、躁状態のときにはエネルギッシュになり、「これが本来の自分だ!」

と感じられることがよくあるからです。


心理教育では障害を客観的に理解し、自身の経験と照らし合わせることで自覚を目指していきます。


「心理教育」といっても一方的に教えられるものではありません。

人によって症状の現れ方も異なります。

カウンセラーは、精神疾患に関する専門家ですが、あなたは自分自身の専門家です。

共同作業によって、あなたの双極性障害についての理解を目指します。


気分の波を理解

「心理教育」の中で、双極性障害の治療において重要なことがあります。

それは、生活リズムを一定にすることです。


双極性障害は、睡眠時間が短くなると「躁状態」を起こしやすくなることが分かっています。

そのため、忙しくても睡眠時間を確保して、生活リズムを一定に保つことは治療においてとても大切です。


生活リズムを一定にするために、今の睡眠リズムと気分の変化、日常の活動を続けて「睡眠・覚醒リズム表」などに記録することがあります。


この記録から気分の波と睡眠リズムの関係や、日常の活動との関係を知ることができます。

更には、「躁」や「うつ」になるきっかけをつかむこともできます。

その結果、自分の障害の理解にもつながります。



双極性障害は「躁」と「うつ」という気分の波をどうコントロールするのかが治療目標になります。気分の波をコントロールするために、自分の気分の波を知っておく必要があります。


1人では難しくても、カウンセラーと一緒に記録をみることで、気分の波を理解しやすくなるかもしれません。


治療のために

双極性障害は、本人だけではなく周囲の理解がとても大切です。

「躁」状態を元気になったと勘違いされないように、「双極性障害」そのものを、周囲の人に理解してもらう必要があります。


中でも、家族のサポートは重要になります。

例えば、うつと診断されていて、あるきっかけで活動的になったとします。

家族はうつになる前の本人の状態をよく知る人です。


つまり、活動的な状態が明らかに普段の状態ではないことを把握できるのも家族になります。

躁状態が異常に活動的であることに本人は気づいていないことが多いです。


そのため、家族にはできるだけ通院にも付き添ってもらうことが、治療を進めるうえで重要になってきます。



自分や周囲の人に理解してもらうために、主治医や支援者のような活用できるサポート資源を得ながら治療にあたっていくことが、治療のために最も重要になります。


【参考文献】
日本うつ病学会 双極性障害委員会「双極性障害(躁うつ病)とつきあうために」

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