自閉症スペクトラム
ASD
自閉症スペクトラム(ASD)とは
自閉症スペクトラム障害(ASD)は生まれつきの生まれつきの脳機能の障害から生じる発達障害の代用的な疾患です。
注意欠如・多動症(ADHD)や限局性学習障害などとともに、精神疾患の診断・統計マニュアルでは、神経発達症群に含まれ、社会的なコミュニケーションの障害と、こだわりなどの限定された反復的な行動様式によって診断がなされます。
ASDの特徴
ASDの特徴として、以下のようなものが挙げられます。
- 会話中に目を合わせない
- 皮肉や例え話をそのまま受け取ってしまう
- こだわりが強く、変化を苦痛に感じる
これらの特徴は、他者が自分とは異なった感情や考えを持っていることを理解する「心の理論の欠如」、複数の情報から全体的にものごとを理解する「中枢性統合能力の脆弱さ」、目標を達成するための一覧の行動を効果的になしとげる「実行機能の障害」が原因と考えられています。
- 心の理論の欠如:他者が自分とは異なった感情や考えを持っていることを理解することが困難
- 中枢性統合能力の脆弱さ:複数の情報から全体的にものごとを理解することが困難
- 実行機能の障害:目標を達成するための一覧の行動を効果的になしとげることが困難
ASDの原因
ASDは親の育て方が原因ではなく、脳機能の障害から生じる先天性の疾患であると考えられています。
内側前頭前野や前頭眼窩領域のほか、側頭頭頂接合領域、上側頭溝周辺領域、前部帯状回、外側前頭前野など、複数の脳領域間の複雑な機能的・構造的な脳内ネットワークの障害であると考えられており、これらの脳内ネットワークの働きが、定型発達者と異なっているのではないかと言われています。
ASDの方への支援
心理社会的アプローチが有効と考えられています。ASDの行動特性や認知特性などを包括的に査定した上で、それに基づいた心理支援を行います。
心理支援にはASDの認知の偏りを補うための構造化(TEACCH)や、望ましい行動を増やしたり、望ましくない行動を減らしたりする応用行動分析(ABA)といった包括型支援の他、ソーシャル・スキル・トレーニング、不安や怒りなどの感情制御のための認知行動療法など、標的となるスキルを獲得するための支援があります。
ASDの症状は、環境や支援によって常に流動する傾向にあります。
DSM-5における自閉症スペクトラム障害の診断基準
- 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥があり、現時点または病歴によって、いかにより明らかになる。
- 相互の対人的ー情緒的関係の欠落で、例えば、対人的に以上な近づき方や通常の会話のやりとりのできないことといったものから、興味、情動、または感情を共有することの少なさ、社会的相互反応を開始したり応じたりすることができないことに及ぶ。
- 対人的相互反応で非言語コミュニケーション行動を用いることの欠陥、例えば、まとまりの悪い言語的・非言語的コミュニケーションから、視線を合わせることと身振りの異常、または身振りの理解やその使用の欠陥、顔の表情や非言語的コミュニケーションの完全な欠陥に及ぶ。
- 人間関係を発展させ、維持し、それを理解することの欠陥で、例えば、さまざまな社会的状況に合った行動に調整することの困難さから、想像上の遊びを他者と一緒にしたり友人を作ることの困難さ、または仲間に対する興味の欠如に及ぶ。
- 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式で、現在または病歴によって、以下の少なくとも2つにより明らかになる。
- 常同的または反復的な身体の運動、物の使用、または会話
- 同一性への固執、習慣への頑ななこだわり、または言語的、非言語的な儀式的行動様式(例:小さな変化に対する極度の苦痛、移行することの困難さ、柔軟性に欠ける思考様式、儀式のようなあいさつの習慣、毎日同じ道順をたどったり、同じ食物を食べたりすることへの要求)
- 強度または対象において異常なほど、きわめて限定された執着する興味(例:一般的ではない対象への強い愛着または没頭、過度に限局したまたは固執した興味)
- 感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ、または環境の感覚的側面に対する並外れた興味(例:痛みや体温に無関心のように見える、特定の音または触感に逆の反応をする、対象を過度に嗅いだり触れたりする、光または動きを見ることに熱中する)
- 症状は発達早期に存在していなければならない(しかし社会的要求が能力の限界を超えるまでは症状は完全に明らかにならないかもしれないし、その後の生活で学んだ対応の仕方によって隠されている場合もある)
- その症状は、社会的、職業的、または他の重要な領域における現在の機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている。
- これらの障害は、知的能力障害(知的発達症)または全般的発達遅延ではうまく説明されない。
知的能力障害と自閉スペクトラム症はしばしば同時に起こり、自閉スペクトラム症と知的能力障害の併存の診断を下すためには、社会的コミュニケーションが全般的な発達の水準から期待されるものより下回っていなければならない。
ー『精神障害の診断・統計マニュアル第5版』より引用
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