コラム

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神経発達症と対人スキル

神経発達症と対人スキル

神経発達症には、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などが含まれます。

これらの特性を持つ方の中には、人と接する場面でうまく振る舞えないと感じることがあります。

たとえば、「会話が続かない」「空気が読めないと言われる」「雑談が苦手」などの経験があるかもしれません。

そのような状態を、「コミュニケーションが苦手」「人付き合いが下手」とひとことで片づけてしまうのはもったいない場合があります。

対人スキルとは何か

対人スキルとは、相手と適切な距離を保ちながら会話したり、やり取りの中で相手の意図や気持ちを汲み取ったりする力を指します。

スキルという言葉のとおり、先天的に備わっているものではなく、多くの場合は経験を通じて少しずつ身につけていくものです。

相手の表情を読み取る、タイミングよくあいづちを打つ、言葉を選んで伝えるなど、目立たないけれど多くの要素が含まれています。

ASDの傾向と対人スキルの難しさ

ASDの傾向がある方は、特に以下のような理由で対人スキルに困難を感じやすくなります。

  • 相手の意図や感情の「裏読み」が難しい
  • 表情や声のトーンといった非言語の情報をとらえにくい
  • 相手の立場に立って想像することが苦手な場合がある

そのため、意図していないのに冷たく見えたり、話をかみ合わせるのが難しかったりすることがあります。

本人としては誠実に対応しているつもりでも、相手に伝わりづらい状況が生じることがあります。

また、「会話の流れが分からない」「話す順番を待てない」といった困りごとが続くと、自信をなくしたり、他人との関わりを避けるようになったりすることもあります。

ADHDの傾向と対人スキル

ADHDの傾向がある方は、注意の切り替えや衝動のコントロールが難しいため、次のような点で対人スキルに課題が生じることがあります。

  • 相手の話に集中できず、話題がずれることがある
  • 会話の中で思ったことをすぐに口にしてしまい、相手を驚かせることがある
  • 話を長く続けてしまい、相手が入り込めないことがある

こうした特徴は、性格の問題ではなく、脳の情報処理の特性によって生じるものとされています。

本人の努力だけで完全に調整するのは難しいことが多いため、環境や関わり方を工夫することが重要です。

改善に向けた視点と工夫

対人スキルは、特性に応じた工夫を取り入れることで、少しずつ向上することが期待できます。たとえば以下のような方法があります。

  • 会話で使える「型」を持っておく(例:「最近どうですか」「週末は何をしましたか」など)
  • 相手の反応に注目し、反応が薄い場合は話題を変える習慣をつける
  • 会話をする場面や相手を選ぶことで、安心して話せる状況を増やす
  • 失敗したと感じた会話を振り返り、次の機会に向けてヒントを探す

また、周囲が「その人なりの表現方法」を尊重する姿勢を持つことも大切です。

対人スキルの困難があっても、「話し方が違うだけで、伝えたいことがある」という理解が広がると、対人場面でのストレスが軽減される可能性があります。

まとめ

神経発達症の傾向がある方にとって、対人スキルの困難は、個人の性格や努力の問題だけでは説明できません。

認知の特徴や情報処理のスタイルが関係しており、適切な支援や環境調整が重要になります。

対人関係の中で感じる「違和感」や「うまくいかない感じ」は、周囲の理解や工夫によって軽減することができます。

自分の特性を理解しながら、できる範囲で対人スキルを広げていくことが、現実的な対応となります。焦らずに、少しずつ経験を積み重ねていくことが大切です。

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