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ASD(自閉スペクトラム症)とは?特性と症状について解説

ASD(自閉スペクトラム症)とは?特性と症状について解説

「仕事のコミュニケーションがうまくいかない」
「自分のペースが周りと合わない」

そんなお悩みはありませんか?

これらのお悩みは、ASD(自閉スペクトラム症)の特性が影響しているかもしれません。
ASDの特性は一人ひとり異なるため、ご自身の特性を知り、それに応じた対応方法を見つけていくことが大切です。

本記事では、ASDの基本的な特徴や症状をわかりやすく説明し、日常生活での困りごとや悩みを少しでも軽くするための情報をお伝えします。

自分の特性を知り、少しでも安心して前に進む手助けになればと思います。

ASDとは?

ASDの概要

ASD(自閉スペクトラム症)は「Autism Spectrum Disorder」の頭文字を取った言葉で、神経発達症(発達障害)に分類されます。

その特徴として、コミュニケーションの方法や物事への興味、感覚への反応などが人によって異なることが挙げられ、これらの特性は神経発達、つまり脳の働きや物事の捉え方と密接に関連しています。

かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」などの診断名が使われていましたが、2013年以降、これらをまとめて「ASD(自閉スペクトラム症)」と呼ぶようになりました。

ASDの症例の多様性

ASDの『スペクトラム』とは『連続体』という意味を持ちます。これは、ASDの特性が一律ではなく、個人によってその現れ方や強さが異なることを表しています。

例えば、同じASDという診断であっても、対人コミュニケーションが極端に苦手な方もいれば、特定の話題については流暢に話せるものの雑談は苦手、といった方もいます。

ASDの特性は「苦手なこと」だけではなく「得意なこと」にも影響を及ぼします。
細かい部分に気づきやすい、パターン認識が得意、高い集中力を発揮できるなどの特徴は、特定の仕事では大きな強みとなります。

ASDの症状は多岐に渡り、「ASDだからこう」といった断定はできず、特性を理解し、自分に適した環境や仕事を選ぶことが大切となってきます。

ASDの特性と症状

上述したようにASDの特性は人によって様々で、ある人には強く現れる特性が、別の人にはほとんど見られないこともあります。

ここではASDの特性としてあがりやすいものについて、いくつか見ていきましょう。

社会的なやりとりの難しさ

まず代表的な特性のひとつに、対人コミュニケーションの難しさが挙げられます。

特に、言葉のやり取りでは相手の意図や感情を正確に読み取るのが難しいことがあります。
言葉の意味そのものは理解できても、その背景や感情、微妙なニュアンスを捉えることができず、このため、意図しない言動を取ってしまい、誤解が生じてしまうこともあります。

また、ASDの方は、非言語的なコミュニケーション、例えば表情や身振り、アイコンタクト、声のトーンといった非言語的なサインの理解にも困難を感じることが多いです。

これらのサインは日常的な対話でよく見られる光景ですが、ASDの方にとっては、このような微妙なコミュニケーションの手がかりを捉えることが難しく、時には無意識に相手の気持ちを傷つけてしまうこともあります。

このような対人関係での困難さは、仕事や学校、家庭などのさまざまな場面で影響を与える可能性があり、社会的な孤立感やストレスの原因になることもあります。

興味の偏りと反復的行動

ASDの方は特定の物事に強いこだわりを持つことがあります。
具体的には、特定の興味や活動に深い関心を示し、その物事に時間やエネルギーを多く注ぐ傾向が見られます。

そうした強い興味は時に周囲とのコミュニケーションに影響を与えることがあり、例えば、他者が関心を持たない話題を繰り返し話し続けてしまい、相手とのやり取りがうまくいかない、といったことがあります。

また、ASDの特徴として反復的な行動も見られます。
同じ動作を何度も繰り返すといった行動は、ASDの方にとって自分自身を落ち着かせる手段となることがあります。

この反復的な行動は日常生活において一定の安心感を与えますが、他者から見ると不自然に感じられることもあります。

このように、強いこだわりや反復的な行動は、それぞれの人にとって重要な意味を持つものですが、対人関係での理解を難しくすることがあります。

感覚過敏または鈍麻(どんま)

ASDの特性として、感覚の過敏または鈍麻といった点も挙げられます。
視覚、聴覚、触覚などの感覚に対する反応が他の人と異なるため、日常生活や社会的なやり取りに影響を与えることがあります。

例えば感覚過敏の場合は、蛍光灯の灯りやカラフルなものが視界に入ることで集中できない、気が散ってしまう、といった悩みが生じます。
一方で、鈍感な場合は周囲の視覚的な刺激に気づかず、視界に入るものに対して無関心でいるといった方もいます。

このような感覚の過敏さや鈍感さは、社会的な場面や日常生活においても影響を及ぼすことがあります。
感覚が過敏な場合には周囲の刺激に圧倒されて会話や活動に集中できなくなってしまったり、反対に感覚が鈍感な場合には他者の反応や状況の変化に気づかず、思わぬ誤解やトラブルにつながるといったことも考えられます。

ASDの原因

遺伝的要因

ASDは、生まれつきの脳の機能特性が関係していると考えられています。その中でも、遺伝的な要因がASDの発症に大きく影響を与える可能性が高いと言われています。

1つの遺伝子変異によって起こるものではなく、複数の遺伝子が関与する可能性が指摘されており、親や兄弟姉妹にASDの特性を持つ人がいる場合、ASDの特性を持つ可能性が高まることが知られています。しかし、ASDの発症にはさまざまな遺伝子が関わるため、遺伝による影響の現れ方には個人差があります。

また、ASDの方の脳の機能特性は、神経の発達や情報の処理の仕方が一般的な人とは異なることが分かっています。例えば、感覚刺激に対する脳の反応が過敏または鈍感であったり、注意の切り替えや社会的な情報の処理が独自のパターンを持っていたりすることがあります。

これらの特性は、幼少期から現れることが多く、周囲の環境との相互作用によってさらに影響を受けることもあります。

環境的要因

ASDの発症には、遺伝的な要因に加えて環境的な要因も影響を与える可能性があると考えられています。環境的要因には、「妊娠中の環境」があると言われています。

環境的要因だけでASDが発症するわけではなく、遺伝的な要因と複雑に絡み合いながら影響を与えると考えられています。

そのため、ASDの発症を予測することは難しいですが、早期の理解と適切なサポートを行うことで、本人がより過ごしやすい環境をつくることが重要になります。

ASDの方への支援

ASDの方に対する支援の一例をご紹介いたします。

ソーシャルスキルトレーニング

上述したように、ASDの方にとって、対人関係やコミュニケーションは大きな課題となることがあります。相手の意図を読み取ることや、適切な言葉の選び方、場の空気を感じ取ることが難しいと感じることも少なくありません。

こうした対人スキルを向上させる方法の一つが、ソーシャルスキルトレーニング(SST:Social Skills Training)です。

SSTは日常生活や職場で必要なコミュニケーションスキルを学び、練習することで、円滑な対人関係を築く力を高めるトレーニングです。

認知行動療法によるカウンセリング

ASDの方は、対人関係の難しさや感覚の過敏さ、変化への不安などから、日常生活で強いストレスを感じることがあります。その結果、不安や抑うつ、自己否定感などの心の問題を抱えることも少なくありません。

こうした心理的な困難に対して、認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioral Therapy)に基づいたカウンセリングが効果的な支援方法の一つとされています。

認知行動療法は、「考え方(認知)」と「行動」に注目し、ストレスや不安を軽減するための心理療法です。

ASDの方は、物事を白黒はっきりと捉えたり、ネガティブな思考のループに陥ったりしやすい傾向があります。
認知行動療法では、こうした思考のクセに気づき、より柔軟な考え方を身につけることで、ストレスや不安を軽減することを目指します。

まとめ

この記事では、ASDの特性や支援の内容について解説しました。

ASDの特性やそれに伴う悩みは人それぞれ異なります。
周囲にはなかなか理解されにくい困りごとや、コミュニケーションで生じる不安を抱えることもあるかもしれません。

そんなときは一人で悩まず、ぜひ私たちにご相談ください。
当センターでは、専門的な支援を通じ、ご本人が自分らしく生活や仕事ができるようサポートいたします。
私たちと一緒に、あなたらしい生活や仕事のかたちを見つけてみませんか?

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