ゴールデンウィークや年末年始など、大型連休は一息つける貴重な時間ですが、連休が終わった後に“なんとなくうまく戻れない” “気づいたらリズムが崩れていた”と感じたことはありませんか?
とくに注意欠如・多動症(ADHD)の特性がある方にとっては、日常のルーティンが一度崩れると、元に戻すのに時間がかかったり、再スタートに大きなエネルギーを要することがあります。
この記事では、ADHDの特性がある方が大型連休「後」をスムーズに乗り切るための具体的な工夫をご紹介します。
大型連休後に起こりやすい困りごと
生活リズムが大きく乱れてしまう
連休中は、つい夜更かしや朝寝坊が続いてしまい、元の生活に戻すのが大変になりがちです。
例:
- 仕事や学校の前日になっても眠れず、翌朝がつらい
- 食事のタイミングがバラバラで、日中の集中力が続かない
頭の中が「切り替え」についていかない
ADHDの特性として、状況の「切り替え」が苦手な傾向があります。楽しかった連休モードから、一気に日常モードに戻ることが難しく、心と身体がちぐはぐになることがあります。
例:
- 仕事に集中しようとしても、つい気がそれる
- 現実感がなく、目の前のタスクが遠く感じる
やることが多すぎてパニックになりやすい
連休明けはメールや連絡事項がたまっていたり、タスクが一気に増えて混乱しやすくなります。優先順位がつけられず、何から始めていいかわからなくなることもあります。
例:
- いざデスクに座ったものの、何も手がつけられない
- 複数の用事を同時にこなそうとして中途半端になってしまう
連休明けをスムーズに過ごすための工夫
「完全に戻す」のではなく、「少しずつ戻す」
一日で元の生活に戻そうとすると疲れてしまいます。大事なのは「段階的に調整する」ことです。
工夫例:
- 連休最終日から早めに寝る時間を戻しておく
- 朝起きたらあえて普段通りに着替え、活動を始める
- 仕事や学業の前日は、軽いタスクをひとつだけこなして“助走”をつける
やることを「書き出して」「順番をつける」
ADHD傾向のある人は、頭の中だけで情報を整理するのが苦手な場合があります。視覚化することで、次に何をすべきかが明確になり、安心感が生まれます。
具体的なやり方:
- 「To Doリスト」を作る
- 重要度と緊急度で優先順位をつける
- 難しい作業は分割して、「今日はここまで」と決めて取り組む
自分に「やさしい目標」を立てる
連休明けは「いきなり本気モード」に入ろうとすると、理想と現実のギャップで落ち込みやすくなります。目標設定はあえて“ゆるく”がポイントです。
例:
- 「とりあえず出社できたらOK」
- 「午前中に1つでもタスクを終えたら十分」
- 「今日は5割の力でやってみよう」
リフレッシュタイムも予定に入れる
がんばりすぎて反動が来ないように、あらかじめ「休む時間」「ぼーっとする時間」を予定に組み込んでおくことが大切です。
工夫例:
- 昼休みは静かな場所で1人になる
- 夜は好きな音楽や動画でリラックス
- 次の楽しみ(小さなごほうび)を設定しておく
まとめ
ADHDの特性がある方にとって、大型連休「明け」は、ペースが乱れやすく、タスクや予定に圧倒されがちなタイミングです。だからこそ、完璧を目指すのではなく、「段階的に戻す」「やることを見える化する」「小さなステップから始める」といった自分に優しい工夫が大切です。
焦らなくても大丈夫。少しずつ、自分のペースを思い出しながら、日常に戻っていけるように、今日できる小さな一歩を踏み出してみてください。
そして何より、「うまく戻れない自分」にもOKを出せることが、次の一歩を支えてくれるかもしれません。少しずつペースを戻していきましょうね。