コラム

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不安で「報連相」が遅れてしまう理由

不安で「報連相」が遅れてしまう理由

報告や相談をしようと思っているのに、言い方を考えているうちに時間が過ぎてしまう。

もう少し整理してから伝えようとしている間に、タイミングを逃してしまう。

結果として「なぜもっと早く言わなかったのか」と言われ、さらに言い出しにくくなる。

こうした経験は、不安が強い人にとって珍しいものではありません。

職場での報告・連絡・相談が遅れてしまう背景には、単なる怠慢や意欲の低さでは説明できない要因が関わっていることがあります。とくに不安傾向がある人の場合、「どう伝えればいいか」「今言って問題にならないか」といった考えが頭の中で繰り返され、行動に移すまでに時間がかかりやすくなります。結果として、伝えるべき内容が整理できないまま時間が過ぎ、さらに不安が強まるという循環が生じることがあります。

不安が強い状態では、先の結果を過度に予測しやすくなります。報告をしたことで叱責されるのではないか、相談をしたことで能力不足だと思われるのではないかといった見通しが先に立ち、実際のやり取りよりも頭の中の想定が行動を止めてしまいます。このような状態では、情報を正確にまとめたり、適切なタイミングを判断したりする余裕が低下しやすいことが知られています。

また、不安傾向がある人は「完璧に伝えなければならない」という基準を自分に課しやすい場合があります。内容が十分に整理できてからでないと報告できない、相手の質問にすべて答えられる状態でなければ相談できないと考えることで、報連相の開始点が必要以上に後ろ倒しになります。こうした思考は慎重さとして機能する一方、状況によっては情報共有の遅れにつながることがあります。

さらに、発達特性を併せ持つ人では、言語化や要点整理に時間がかかること自体が不安を高める要因になることがあります。何をどこまで伝えればよいのかが明確でないまま話し始めることに抵抗を感じ、結果として沈黙を選んでしまうケースも見られます。これは対人スキルの問題というより、情報処理の負荷と情動反応が重なった状態と考えられます。

このような場合、報連相を「評価される行為」として捉えるより、「状況を共有する手続き」として位置づけ直すことが役立つことがあります。内容が途中段階であっても、現時点の情報を短く区切って伝えることで、認知的な負担は軽減されやすくなります。また、伝える前に頭の中で反復するのではなく、簡単なメモに書き出してから共有することで、不安の影響を受けにくくなる場合もあります。

不安によって報連相が遅れる現象は、本人の姿勢の問題として扱われがちですが、実際には心理的・認知的な条件が大きく関与しています。自分の反応の特徴を理解し、負荷がかかりにくい形で情報共有の方法を調整していくことが、現実的な対処につながります。必要に応じて、周囲と共有のルールをすり合わせることも、負担を減らす一つの選択肢になります。

自分の反応の特徴を理解し、負荷がかかりにくい形で伝え方やタイミングを調整していくことが、現実的な対処につながります。どうしても難しさが続く場合には、身近な人や専門家に相談しながら、自分に合った方法を一緒に探していくことも選択肢のひとつかもしれません。

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