「適応障害とは?症状と治し方について解説!」では,適応障害の特徴や治療方針,具体的な対策についてご紹介しました。
この記事では,適応障害をわずらったことがあり,いったん回復した方が,
仕事に復帰するための方法について考えていきます。
適応障害の人に向いている仕事
適応障害は
「環境に適応できず,ストレス反応として心身の症状が出現してしまう」
ことを特徴としています。
したがって,適応障害の要因として,
仕事内容や対人関係などの大きな環境変化があったことが考えられます。
このことから,適応障害になり退職や休職をされた方がまず最初に社会復帰する先は,
変化が少ない環境だと安心です。
例えば,
「残業がない・少ない」
「業務量が一定」
「異動が頻繁でない」
「厳しいノルマが求められない」などです。
復職の方は,職場の理解が得られるなら時短勤務などから始めることができると理想的ですね。
再就職の場合はどうでしょうか。
障害枠就労の場合は,短い時間から仕事を始めたり,残業を少なくするなどの配慮について会社と交渉することができます。
一般枠就労の場合は,業種選びの段階で,厳しいノルマがある業種や残業が多い業界を避けるといった工夫が考えられます。
自分にどのような仕事があっているのかわからないときは,
キャリアカウンセリングを受けることをお勧めします。
カウンセラーの客観的な意見をとりいれながら,自身のキャリアを決定していくことができます。
少しずつ慣れていく
変化が少ない環境で安定して働けるようになったら,
少しずつ,できることの幅を広げていきましょう。
「少しストレスフルな状況だったけど,上手に気晴らししながら乗り切れた」
「対人関係で落ち込みかけたけど,考え方の幅を広げて,まあいいかと思うことができた」
など,一歩一歩ストレス要因を乗り越えていきます。
こうした体験が重なると,ある程度の変化やストレスにも対応できるようになっていきます。
無理のない環境で働きながら,だんだん成長していくイメージですね。
社会復帰後の環境で成長するためには,自己理解を深めておくことも大事になります。
自身のストレスを感じやすいパターンや,対人関係,考え方の癖について知っておきます。
さらに,対策を知識として身に着けておくと役立ちます。
こうした知識は就労移行支援のプログラムや病院のデイケアなどで身に着けることができます。
無理はしない
適応障害から回復して,社会復帰した後も,
ストレスの影響を受けているなと感じたらすぐに休むことが大切です。
適応障害になったときの症状を思い出してみましょう。
たとえば,睡眠に問題がでる場合,寝付けなくなったり,中途覚醒や早朝覚醒,悪夢があったかもしれません。
あるいは,食事が食べられない,あるいは過食してしまったかもしれません。
または,家事が手につかない,または趣味が楽しめなくなった,という経験もあるかもしれません。
その他に,身体症状としてだるさや腹痛,頭痛などが出たかもしれません。
人によっては,気持ちがイライラしたり,なぜか落ち込んでしまった方もいるかもしれません。
このような症状の兆候が出始めたら注意サインです。
回復の手段をもっておく
注意サインが出た場合にそなえて,回復のための手段をたくさんもっておくことも大切です。
「日ごろからよく眠る」
「友人や家族と話す」
「趣味を持っておく」…など,ストレス解消法は人によって様々ですね。
自分にとってのストレス解消法が分かりにくい場合は,
心理カウンセリングで相談することも役立ちます。
同じような経験をした人と話し合い,ヒントをもらうのもいいですね。
相談先は確保しておく
どんなに対策しても,人生ではどんな変化があるかわかりません。
万が一,大きな変化があり,大きなストレスを感じて体調を崩しそうになってしまったときのために,
相談先を複数持っておくことをお勧めします。
例えば,信頼できる友人や家族,医師,カウンセラーなどです。
ご自身の心身を大切にしながら,元気で働いていけるよう,
周囲の力を上手に借りながら歩んでいきましょう。