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うつ病で仕事はできない?仕事復帰のために向いている働き方を公認心理師が解説!

うつ病で仕事はできない?仕事復帰のために向いている働き方を公認心理師が解説!

この記事は「うつ病で仕事を辞めてしばらく療養したけれど、次に働くのが不安だ。」というお悩みがある方に向けて書いています。

また、うつ病が再発してしまうのではないか不安。でもブランクが長引くのも不安、など混乱されている方も多いかと思います。

うつ病の方の就労支援に携わっている公認心理師の心理カウンセラーが、うつ病の方の仕事復帰に役立つポイントをわかりやすく解説します。

再発防止のため治療が欠かせない

まず、再就職を考えるために一番大切なのはうつ病の治療と予防です。

ブランクが長引くのが不安、経済的な不安から、「早く再就職をしないと!」と焦る気持ちがあるのは自然なことだと思います。

ただ、落ち込みの気持ちが続いていたり、予防策が考えられていないと、就職活動がうまくいかないことが考えられます。

うつ病の再発防止と就職活動の時期

就職活動は体力や気力が必要です。

自己分析をして、企業のことを研究して、履歴書や職務経歴書を書いて自己PRをして、などやることがたくさんあります。

心身の状態が整っていない状態で取り組んでも、途中で挫折してしまうことがあります。

また、就職活動がうまくいかないことで落ち込みが持続してしまうことも考えられます。

万が一、内定をもらったとしても、落ち込みが強い状態で働き続けるのは難しいでしょう。

うつ病を初めて発症したときの再発率は60パーセントと言われています。※

「生活費で貯金が減っていくのが耐えられない。」

「働いている周りと比べて自分も働かなきゃと思う。」

「家族や周りの人から早く働くように言われている。」

など、人それぞれ事情はあるかと思います。

こうした心配はもっともな一方で,長期的に考えてうつ病を再発しないように治療と予防に取り組くむことも大切です。

まずは,しっかり治療と予防に取り組むことで,社会復帰した後も安定して働きやすくなります。

うつ病の治療について知りたい方は以下のコラムをご覧ください。

なお、仕事復帰の準備が整っているかどうかについては、

  • 就職に向けて焦る気持ちが強すぎない
  • 適切な睡眠-起床リズムで生活できている
  • 起床時に前日の疲れが残っている感じが少ない

などがチェックポイントになります。

うつ病の方に向いている働き方

うつ病の方にはこの職業が向いています!とは明確には言えません。

なぜなら,適職というのは人によって違うからです。

やりがいを重視して興味のある仕事を選ぶ人もいれば、経済的な豊かさを重視して給与の高い仕事を選ぶ人もいます。

働き方を考える上では、どのような基準で仕事を選ぶかということになります。

様々な働く基準がある中で、うつ病を患った方が希望することは、「安定して健康的に働く」ということではないでしょうか。

一時期やりがいや経済的な豊かさを手に入れたとしても、うつ病が再発すればなくなってしまいます。


そこで本記事では、安定して健康に働くにはどうすればいいかという点で話を進めます。

前提として,自分が働くうえで何が負担になりやすいのかを明確にして対策することです。

「自分は何がきっかけでうつ病になったかわからない。」

「何が負担になったのかわからない。」

といった方もいるかもしれません。

職場でのストレスのきっかけを知るのは治療や再発予防の上でも役立ちます。


今回はうつ病の方が負担になりやすいポイントを3つに絞って対策をお伝えします。

1.短い業務時間から始める

労働時間が長いことが負担になりうつになってしまった人は一定数いらっしゃいます。

真面目な人ほど、つい頑張りすぎて調子を崩してしまうことにつながります。


今までフルタイムや残業時間の多さが業務時間が負担になっていた方は、パートや派遣社員など、労働時間が少ない雇用形態を考えてみるのも選択の1つです。

「働くなら正社員じゃなきゃダメだ。」と思っている方もいらっしゃるかと思います。

しかし、今は正社員以外に様々な雇用形態で働いている方がたくさんいらっしゃいます。

総務省の2022年の労働力調査によると、約4割の人が非正規雇用で働いています。

「仕事を離れた分の遅れを取り戻さなくては!」と残業が多いハードワークを始めると、うつが再発することにもなりかねません。

長期的には正社員を目指すとしても、社会復帰の第一歩として労働時間が少ない働き方を検討してみるのはいかがでしょうか。

2.負担が少ない業務で働く

業務時間以外にも仕事内容での負担で調子を崩された方もいらっしゃるかと思います。

一般的には負担の少ない働き方として、事務、在宅ワーク、などがあげられます。

また、今までにやってきた、慣れている業務だと比較的負担が少ないことが考えられます。

「うつのきっかけになった仕事をやるのはもう嫌だ!」と思われるかもしれません。


確かに仕事内容自体が負担になっていたのであれば、同じ仕事をするのはリスクがあります。

しかし、うつになったのは業務内容ではない場合も多いかと思います。

例えば、先に挙げたような労働時間の負担であったり、人間関係の不満などです。

どうしてもうつになるきっかけとなった仕事内容が嫌になるのは自然なことだと思います。


しかし、これから仕事を改めて探す、という場合、業務内容自体が負担だったのか、それ以外が負担だったのか分けて考える必要があります。


自分にとって負担の少ない業務内容はどのようなものか。

しっかり自己分析を進めてから仕事を選ぶことをおススメします。

また、過去に業務を抱え込みすぎて辛くなってしまった、という方もいらっしゃるかと思います。

一人で仕事を抱えてしんどくなってしまう方は、断るスキルや依頼するスキルを高めることで負担を調整して働きやすくなることが期待できます。

3.人間関係のストレスを減らす

うつ病をはじめとした精神疾患をお持ちの方の多くは人間関係が負担になることがあります。

たとえば,

「周りからどう思われるんだろう」

「忙しそうで、上司に質問や相談ができない」

「強い口調で叱責されて耐えられない」

など、対人場面での困りごとやストレスはたくさんありますよね。

人間関係のストレスを減らしたい!と思うは自然なことだと思います。

人間関係のストレスを減らす方法

人間関係のストレスを減らすためには、大きく分けて方法が2種類あります。

第一に,働く環境を選ぶことです。

清掃員、警備員などの人間関係が少ない仕事に就くことです。

メリットは自分自身を変えなくてよい点です。

デメリットとしては、今後の職業選択で、人と関わらずに働く仕事に選択肢が限られる点です。

第二に、自分自身のコミュニケーションのスキルを高めることです。

例えば,不安や緊張から質問や相談が苦手で、業務が遅れてしまっていた方。

不安や緊張を克服し質問や相談が以前よりできるようになると、業務がスムーズに進むことが考えられます。

また,不要なトラブルを招かないことも大切です。

ミスをしたときに上手に謝罪できず、上司をどんどん怒らせてしまった方。

適切に謝罪することで、上司からの叱責を最小限に抑えられるかもしれません。

このように,コミュニケーションのスキルを高めてから就職することで、対人関係のストレスが減ることが期待できます。

結果的に、人と関わる仕事を含めて仕事選びをすることができます。

ただ、コミュニケーションスキルの訓練にある程度の時間がかかってしまうのがデメリットです。

まとめ

長期的に見て「安定して健康的に働く」ということを大事にしたいのであれば、

まずはうつ病の治療に専念することをおススメします。

治療と予防ができたうえで、働き方として3点がポイントです。

①業務時間を短く始める

②負担が少ない業務で働く

③人間関係のストレスを減らす

あいち就労支援センターでは、うつ病の治療をはじめとして、コミュニケーションスキルのトレーニング、適職の検討、等の支援を行っています。

興味のある方はぜひ無料の初回カウンセリングにお越しください。

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