こんなことはありませんか?
朝の予定では順調に進むはずだったのに、急な変更が入ったことで頭が混乱してしまう。予定を変えればよいと分かっていても、気持ちが切り替わらず、その後の作業までうまく進まなくなる。周囲から見ると小さな変更に見えても、本人にとっては大きな負担になることがあります。
神経発達症の傾向がある人にとって、予定や手順は生活を安定させるための重要な手がかりになることがあります。
特に自閉スペクトラム症の傾向がある人では、見通しが立っている状態の方が安心して行動しやすい場合があります。
そのため、予定変更が起こると、単にスケジュールが変わるだけでなく、頭の中で組み立てていた行動の流れ全体を作り直す必要が出てきます。
この作り直しには、注意の切り替えや情報の整理が必要になります。心理学では、こうした働きは実行機能と関係するとされています。
実行機能には、今やっていることを止める、新しい状況を理解する、次の行動を選ぶといった働きが含まれます。予定変更の場面では、これらが一度に求められるため、認知的な負荷が高くなりやすいと考えられます。
また、予定変更は不安とも関係します。
「次に何が起きるのか分からない」「自分はうまく対応できるだろうか」と考え始めると、目の前の対応に使う力が減ってしまいます。
不安が強くなると、考えが同じところを巡りやすくなり、実際の行動に移るまで時間がかかることがあります。
これは、本人がわざと切り替えを遅らせているわけではなく、状況を理解し直すために時間が必要になっている状態と考える方が自然です。
予定変更で疲れやすい場合には、変更そのものをなくすことよりも、変更が起きたときの扱い方を決めておくことが役立つ場合があります。
たとえば、予定が変わったときには、まず新しい予定を紙やスマートフォンに書き出してみます。
頭の中だけで整理しようとすると、情報が混ざりやすくなるため、見える形にすることで負担が少し軽くなることがあります。
また、「変更後に最初にすること」を一つだけ決める方法もあります。
すべてを一度に考え直そうとすると混乱しやすくなりますが、最初の行動だけが決まっていると、動き出しやすくなることがあります。
予定変更の直後に数分だけ休憩を入れることも、頭の切り替えを助ける方法の一つです。
困ったときはどうしたらいいでしょうか。
まずは、予定変更に疲れることを「柔軟性がない」と決めつけず、「組み立て直しに時間がかかっている状態」と捉えてみてください。
そのうえで、予定を見える形にする、最初の行動だけを決める、変更後に短い休憩を入れるといった方法を試してみると、負担が減る場合があります。
それでも生活や仕事に大きく影響する場合には、身近な人や専門家に相談しながら、自分に合った対応方法を整理していくことも一つの方法です。