最近地震などの災害が多くて、何だか怖い気がしますね。 地震が起きたあと、揺れそのものはおさまっているのに、しばらく落ち着かない。少しの物音にも反応してしまう。ニュースや防災情報を何度も確認してしまい、気づくと疲れ切っている。避難の準備をしなければと思っても、何から手をつければよいか分からなくなることがあります。
地震は、人によっては強いストレスになる出来事です。特に不安症の傾向がある方にとっては、実際の揺れや大きな音、予定の中断、生活環境の変化だけでなく、他国でのニュース映像を見るだけでも不安になることがあります。ニュースなどを見聞きすることを避けるため、日常生活に影響が生じる場合もあります。
これは気持ちの弱さではなく、急な刺激や予測できない状況に対する不安感受性が高かったり、情報処理の負荷に耐えられないことと関係していると考えられます。
不安症傾向のある方だけでなく、自閉スペクトラム症でも、見通しの立たない状況に強い不安を感じやすいことがあります。地震のあとには、次に何が起こるのか、家にいてよいのか、避難した方がよいのかといった判断が必要になります。しかし、情報が多すぎたり、状況が変わり続けたりすると、頭の中で整理しきれず、動き出しにくくなることがあります。
また、感覚過敏がある場合には、緊急地震速報の音、物が落ちる音、人の声、避難所のざわめきなどが大きな負担になることがあります。周囲の人には一時的な騒音に見えても、本人にとっては強い刺激として残りやすく、その後もしばらく緊張が続くことがあります。
ADHDでは、災害時に必要な行動を順番に整理することが難しくなる場合があります。防災用品を確認する、家族に連絡する、避難経路を確認するなど、やることが一度に増えると、どこから始めればよいか分からなくなることがあります。焦りが強くなるほど、必要なものを忘れたり、情報を見落としたりすることもあります。
このような負担を減らすためには、地震が起きてから考えるのではなく、普段から「そのとき何をするか」を決めておくことが役立ちます。
たとえば、自宅で揺れたときに最初に身を守る場所を決めておくこと、避難する場合に持つ物を一か所にまとめておくこと、家族や支援者と連絡方法を確認しておくことなどが考えられます。手順が決まっていると、緊急時にも行動を始めやすくなります。
情報の取り方にも注意が必要です。
災害情報は大切ですが、何度も確認し続けると不安が強まり、休む時間がなくなることがあります。信頼できる情報源を決めておき、確認する回数や時間をあらかじめ区切ることで、情報に振り回されにくくなる場合があります。
困ったときはどうしたらいいでしょうか。 まずは、地震のあとに落ち着かなくなることを「大げさな反応」と決めつけず、強い刺激や予定外の出来事への自然な反応として捉えてみてください。
そのうえで、避難行動、防災用品、連絡方法を普段から見える形で整理しておくと、負担を減らしやすくなります。災害後の不安や不眠が長く続く場合には、身近な人や専門家に相談しながら、安心して過ごせる方法を一緒に考えていくことも選択肢の一つかもしれません。
