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双極性障害では仕事ができない?仕事復帰して続けるにはどうするか解説します!

双極性障害とは簡単に言えば、うつ状態と躁状態を繰り返す病気です。

逆に、うつ状態の時は気分が落ち込んで集中力がなくなったりします。

一方、躁状態の時はエネルギッシュになり、あまり休まなくても活発な状態です。


双極性障害の症状と心理的な治療について知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

双極性障害の症状と対処法を解説!


本コラムでは双極性障害の方が抱える仕事での困りごとと仕事復帰して続ける方法を解説します。

仕事での困りごと

双極性障害の方は躁状態の時と、うつ状態の時とで、仕事での困りごとは変わってきます。

躁状態の時に起こる仕事上の困りごと


・長く話しすぎたり、大声になる
・活動的だが仕事の成果や質は伴わないこともある
・落ち着きがなく席を離れることが多い
・口論やトラブルが増える


気分が上がってくると、「自分は何でもできる!」という考えになりがちです。

「今の状態が本来の自分だ!」

「最高に幸せだ!」

と感じることもあるでしょう。

実際に、一部の人は今までよりも長く働くことができ、生産性があがることもあります。

新しいアイデアが沸いたり、チャレンジしたりするかもしれません。

ただ、注意が散漫になり、ひとつの取り組みが最後まで終わらない人もいます。

また、自分に自信があり正しいと思い込むことで対人トラブルも考えられます。

普段なら何とも思わないことにイライラしたり、職場の人に強い口調で怒ったりするかもしれません。


躁状態の時には、幸福感を伴うこともあり自分では困っている感覚は薄いことが考えられます。

しかし、周りから見ると「いつもと違うな」と違和感を持たれることがあります。

また、躁状態のまま休憩や睡眠をあまりとらずに仕事をすることはリスクになります。

それは、躁状態の反動で、後からひどいうつ状態になってしまうからです。

うつ状態の時に起こる仕事上の困りごと

・遅刻や早退、欠席などが多くなる
・集中力、注意力の低下
・話しかけられた時の応答が鈍くなる
・集団でのコミュニケーションを避けるようになる

躁状態の元気が全くなくなり、活力がわかないため仕事に取り組むことが難しくなります。

うつ状態になると、躁状態の自分のふるまいを後悔することも多いです。

「あの人に強い口調で怒ってしまったな」

「仕事を中途半端なままにしてしまった」

というような後悔の気持ちが強くなります。

以上のような困りごとが予想されますが、双極性障害があっても働き続けることはできます。

実際に、当施設を利用された、たくさんの双極性障害の方が仕事復帰して働いておられます。

双極性障害がありつつも働くには

では、仕事復帰して働き続けるにはどうすればよいのか具体的に解説します。

前提として、働き始めても定期的に医療機関への受診が必要になります。

服薬が双極性障害の基本的な治療法です。

そのため、仕事を探す時、希望する会社が通院できる環境か確認することが大事です。

例えば、病院に行くために休みをとれるか、早めに帰ることが可能であるかなどです。

次に、自分でできる範囲の工夫から紹介します。

1.規則正しい生活

第一に、双極性障害の悪化や再発を防ぐため、規則正しい生活をすることが大切です。

仕事においては、夜勤や残業が少ない仕事を選ぶことが望ましいといえます。

毎日同じリズムで働ける仕事は、以下のような業務が挙げられます。
・業務量が大きく変動しない業務
・業務時間が大きく変わらない職種
・自分のペースでできる業務

例えば、事務職やフリーライター、在宅ワークなどです。

2.気分の波を客観的に把握

双極性障害とうまく付き合っていくには、気分の波を客観的に把握することが必要です。

うつ病の症状については比較的自分で気づきやすいです。


ただ、躁状態の症状については自分では気づくのが難しいです。

自分で把握する方法として、症状リストを作ることが挙げられます。


例えば、仕事でよくある躁症状としては

・活動性の増加による労働時間の増加

・アイデアが浮かびやすく会議での発言が増える

・対人トラブルが増える

などが挙げられます。理想としては症状につながる数値を記録しておくことです。

例えば、労働時間、会議での発言数、対人トラブルの数、などです。

基準値を上回ったら、「自分は今躁状態になりかけかもしれないな」と気づくことができます。

3.刺激のコントロール

また、躁状態の引き金となる刺激のコントロールも大切です。

例えば、仕事では以下のような刺激の抑制が考えられます。


・あえて仕事量と労働時間をセーブする

・会議での発言回数を制限する

・会社の人との飲み会を控える


特に、躁状態になると元気になるため気分に任せるとバリバリ働いてしまう人は多いです。

しかし、長期間安定して働き続けるためには、あえて刺激を減らすことが必要となります。



職場に求める対応

自分でできる工夫に加え、気分の波に備える環境づくりも大切です。
症状や特徴を自分だけでなく、家族や職場の人にも知ってもらうことで安定につながります。

躁状態、うつ状態になるとどうなるのかを職場の人に伝えておくことで、会社側も事前に対応しやすくなるかもしれません。


例えば、「最近働きすぎだけど気分が上がっていない?」と声をかけてもらえるかもしれません。

また、会社の配慮が得られる場合は、業務量の調整をお願いすることも考えられます。

さらに、職場の人に躁状態の際の仕事の進め方を相談しておくと、大きなミスやトラブルを未然に防ぐことができます。

通院のための休みの調整も会社に伝えてみてもいいかもしれません。


一般枠での就労の場合、配慮を受けられる会社は限られるかもしれません。

一方、障害枠での就労では、障害特性に応じた配慮について相談することが可能です。

このため、配慮を受けて安定して働き続けたい場合は、障害枠での就労も選択肢のひとつとなります。

まとめ

双極性障害の症状をコントロールしながら働くには、症状に早く気づき対処していくことが必要です。
なお、症状の把握のために、自分の症状について職場の人や家族にあらかじめ伝えておくことは有効です。

周囲の人から変化に気付いてもらい、仕事の調整などが図れると安定した就労に繋がります。

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