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神経発達症の方が職場で必要な配慮を伝えるときのポイント

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神経発達症の方が職場で必要な配慮を伝えるときのポイント

こんなことはありませんか?

  • 口頭で複数の指示を受けると混乱する。
  • 周囲の話し声があると確認作業に集中できない。
  • 予定が急に変わると、次に何をすればよいか分からなくなる。

職場に相談したい気持ちはあっても、「何をどう伝えればよいのだろう」と迷うことがあります。

診断名だけでなく「具体的な困りごと」を整理する

神経発達症の特性による困りごとは、診断名だけでは十分に伝わらない場合があります。同じ診断名でも、負担になりやすい場面や役立つ工夫は人によって異なります。

本人も最初から自分に合う方法をすべて分かっているとは限りません。そのため、診断名だけを伝えるよりも、仕事の中で何が起き、どのような方法があると進めやすいかを具体的に整理することが大切です。

伝わる配慮の整理術:4つの視点

整理するときは、4つの点に分けて考えてみます。

1つ目は「どの場面で何が起きるか」、2つ目は「仕事にどんな影響があるか」、3つ目は「自分で何を試しているか」、4つ目は「どのような方法なら取り組みやすいか」です。

たとえば、「口頭での指示が続くと分かりにくくなります」だけでは、職場も具体的な対応を考えにくいかもしれません。

そこで、「複数の仕事を一度に口頭で指示されると、期限と優先順位を取り違えやすくなります。自分でもメモと復唱をしていますが、期限と優先順位をチャットにも残してもらえると、確認ミスを減らせます」と伝えることが有効な場合があります。

困りごとだけでなく、仕事への影響と希望する方法までつながると、相談の目的が共有しやすくなります。

音への配慮を求める場合

周囲の音が負担になる場合も、困りやすい場面と仕事への影響を具体的にします。

たとえば、「入力内容を確認するときに会話が重なると、読み直しが増えて時間がかかります。確認作業の間だけ席を移すことはできますか」と相談すると、実行できる方法を探しやすくなることもあるでしょう。

希望した方法が難しい場合でも、目的が分かっていれば、時間帯を変える、席の位置を調整するなど、別の案を話し合えることがあります。

知っておきたい「合理的配慮」の仕組み

合理的配慮は、単に仕事の基準を下げることではなく、働くうえでの支障を減らし、能力を発揮しやすくするための調整です。

障害者雇用促進法では、事業主に対し、法律の対象となる障害のある労働者が職業生活を送るうえでの支障を改善するため、過重な負担にならない範囲で合理的配慮を提供することが義務づけられています。

ただし、合理的配慮は、本人の希望がそのまますべて通るという意味ではありません。また、必要な配慮は一人ひとり異なります。具体的な内容については、本人と職場が話し合いながら実行可能な方法を検討します。

最初から決めつけず、試しながら調整する

最初から最適な配慮を決める必要はありません。

まず困りごとの大きい場面を一つ選び、一定期間試したあとで、ミスの回数、作業時間、疲れ方などを振り返り、期待した変化がなければ、方法や環境が合っていたかを見直してみましょう。

一人で抱え込まず、他の人に相談してみよう

困ったときはどうしたらいいでしょうか。

自分の中だけで整理しようとすると、何が問題で、何を伝えればよいのか分からなくなることもあります。そんなときこそ、一人で抱え込まず、周囲に相談してみましょう。

まずは上司や人事・労務の担当者に、最近困った一場面について「いつ・何が起きたか」「仕事にどんな影響があったか」「自分で試したこと」を話してみることから始めてみてはいかがでしょうか。話しながら整理すると、自分でも気づいていなかった点が見えてくることがあります。もし、直属の上司などにすぐ話すのが難しい場合は、産業医や産業保健スタッフ、就労支援機関(もちろん、ここケアワークスも含めて)など、話しやすい窓口から相談してもよいでしょう。

言葉にしにくいときは、産業保健スタッフや支援者にまず相談し、一緒に状況を整理してから職場に伝える方法もあります。誰に、どんな順番で話すかを考えるだけでも、一歩を踏み出しやすくなります。

ここケアワークスではこうした整理や相談の練習を、プログラムを通してサポートしています。たとえば「私の取扱説明書」では困りごとと特性との関連を整理し、自分に合った対処法を考えていきます。

ほかにも、伝え方を練習する「コミュニケーションガイド」や、参加者同士で工夫を話し合う「グループワーク」などがあります。自分だけで答えを出そうとせず、働きやすくするための具体的な方法を一緒に探していくことも選択肢の一つです。

参考資料

  1. 厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shougaisha_h25/index.html
  2. 障害者職業総合センター「発達障害者のワークシステム・サポートプログラム」
    https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/p8ocur0000000x34-att/kyouzai58.pdf

コラムのご利用にあたって

当サイトのコラムは、こころの不調や働き方に関する一般的な情報提供を目的としています。個別の診断や治療方針を示すものではありません。

ここケアワークスは医療機関ではないため、診断や薬の処方は行っていません。強い落ち込み、不眠、食欲低下、希死念慮、自傷の不安、仕事や生活への大きな支障が続く場合には、主治医や心療内科・精神科などの医療機関にご相談ください。

監修者

原井 宏明

原井クリニック院長 / ここケアセンター 顧問医

医師、精神保健指定医、精神科専門医・指導医(日本精神神経学会認定)、専門行動療法士(日本認知・行動療法学会認定)、認知行動療法師(日本認知・行動療法学会認定)、認知行動療法スーパーバイザー、認定動機づけ面接トレーナー(MINT認定)

・プロフィール
・原井クリニックHP

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